センチュウ捕食菌 「パスツーリア入り肥料」の使い方

しぶといセンチュウ対策。一度広がると長期にわたった防除が必要になります。

今年新発売になったセンチュウの天敵、「パスツーリア菌」入り肥料
「センチュウバイバイ」のおすすめな使い方を、センチュウの広がり度合いに合わせてご紹介します!

パスツーリア菌て?

what パスツーリア
パスツーリア菌は、UFO型の絶対寄生性の細菌です。

生育すると発芽する胞子に、
ネコブセンチュウの幼虫が、触れて感染してしまうと…
センチュウの増殖は一気に抑えられ、結果的にセンチュウの密度が低下します

このパスツーリア菌を主成分とした微生物農薬も開発されているほどで(パストリア水和剤)トマト・キュウリ・メロンなどのネコブセンチュウに登録があります。

パスツーリアの長所

①耐乾燥・耐寒・耐熱に優れているので、真冬や暑い夏も越えられる
⇒一度定着すれば、毎年施用する必要がない
②農薬ではないので、収穫前に使っても安心。

欠点
①ほどほどに、センチュウがいないと、増えることができない。
②「ネコブ病」と間違えた時は効果がない

新発売のセンチュウバイバイなら、「ネコブ病」と「ネコブセンチュウ」両方の対策にお勧めです!

センチュウバイバイ商品
よく見間違うことも多いネコブ病とネコブセンチュウ。
ネコブセンチュウは、線虫が根を荒らしてしまいますが、
ネコブ病は、細菌が根に感染して起こります。

パスツーリア菌は、線虫を捕食することはできても、ネコブ病の細菌を食べることはできないため、
ネコブセンチュウとネコブ病どちらが原因かわからないときは使っても効果が感じられないことも多い菌資材でした。
新発売のセンチュウバイバイには、
パスツーリア菌の他に、
  • 多くの病原菌と戦う放線菌
  • ものすごいスピードで増えて、悪玉菌の住みかや餌を奪う納豆菌・乳酸菌など
  • 線虫が抑えられてきて、再び根が伸びる際の助けになる菌根菌
などなど、細菌・糸状菌などが原因の病気にもおすすめの菌がバランスよく入っています!

【被害度合い別】 おすすめの使い方 

パスツーリア菌
まず初めに・・・
センチュウは、自分が食い散らかした後の場所では、増えようとはしません。

つまり、センチュウ菌の密度があまりにも高い場所では、
新しいセンチュウの幼虫が少ないので、
幼虫に感染するパスツーリア菌もうまく増えることができません。

逆に、センチュウが全くいなくなる、土壌燻蒸処理直後なども、
幼虫がいないため、やはり増えにくくなります。

つまり、パスツール菌入り資材は、
「ほどほどにセンチュウがいる状態」、あるいは「周りにはセンチュウがいる状態」で使うことがポイントです!
≪そこそこセンチュウ被害が気になるとき≫
パスツール菌が大活躍できる状態ですので、全面施用がお勧めです!
ある程度、パスツール菌も定着しやすい環境ですので、様子を見て、隔年施用にしたり、農薬を減らす目的にも使えます。

≪センチュウ被害がひどいとき≫
センチュウ自体も、増えすぎてしまって幼虫が増えにくくなっていて、幼虫に感染するパスツーリア菌も活躍しずらい環境です。
それでも定植苗には新しい根がありますし、何よりも植穴は最初のうちはセンチュウがいない状態です。
そこで…植穴施用がお勧めです!

≪一緒に使うと効果的≫
新しい根が生えやすく、ほどほどにセンチュウの幼虫が増えるところで、パスツーリア菌が活躍します。
そこで! 根の成長促進にピッタリな、菌根菌資材や、海藻エキスや竹エキス(海藻・竹に含まれる成長ホルモンが熱分解されていない、液状のものがお勧めです)も併せてお使いいただくとより効果的です!